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ウランバートル

モンゴルの首都ウランバートル――。
東西約20km、南北約10kmの面積に今やモンゴル全人口の約半分近くの人々が生活しており、1992年に社会主義を完全に放棄した後、長く後進国を歩んできたモンゴル国の首都でしたが、近年豊富な地下資源が次々と発見され、外国からの投資により、数年前では考えられないほどの商業ビルやホテル、デパートやレストランなどが軒を連ね、日本車を中心とした車が溢れ返るほど道を埋め尽くし、目覚しい発展を遂げました。

そのウランバートルの中心地に、約10年前より日蒙友好、芸術振興の為、弊社M.Y.Y.コミュニケーションズは、モンゴル国際大学との共同出資により美術館建設を開始致しました。そして5年後の2011年に『和の宝珠美術館』として完成し、モンゴルにて数々のイベントを開催してまいりました。

和の宝珠美術館が着工した2006年は、大モンゴル帝国を築いた英雄チンギス・ハーンによるモンゴル建国800周年の記念年でもあり、日蒙友好を掲げ、弊社では今回の展覧会の舞台でもあるモンゴル国立美術館にて展覧会を開催させていただきました。大盛況で終わった展覧会終了後、当時のモンゴル国立美術館館長より『こんなに貴重な展覧会が出来たことを本当に感謝します。是非また展覧会を企画してモンゴルに来てください!』とお言葉をいただき、モンゴル国立美術館を後にしました。あれから10年――。

今年2016年は、モンゴルがアジア欧州会合ASEM(※1)のホスト国に選ばれ、この夏に開催されることから、アジア・ヨーロッパの閣僚が集まり、世界から国際会議見学の為、一般の方々も来蒙し、一気に注目を浴びることとなりました。
※1 ASEM(アジアおうしゅうかいごう、Asia-Europe Meeting, ASEM)は、アジア(東アジア・東南アジア)と欧州における経済、政治、文化などの分野の対話と協力のための会合である。アジア欧州会議と呼ばれることもある。

ASEM開催を記念し、駐日モンゴル大使館からの正式な後援の下、10年ぶりに日本芸術をお披露目する展覧会『モンゴル英雄作家光臨芸術祭』が6月20日から22日の3日間の日程でモンゴル国立美術館にて、開催される運びとなりました。

この展覧会のタイトルには、太古からモンゴルでは『身体を鍛えれば一世の英雄。芸術により思考を鍛えれば永世の英雄』という諺があり、芸術は尊きものとして重宝されてきたことから、日本の現代芸術家の先生方を正に英雄としてお迎え(光臨)するという意味を込めて命名されました。

展覧会開催日の6月20日当日――。
本来雨が少ないモンゴルで、前日に珍しく雨が降り、雨上がりの朝は程よい湿度で空気が澄みわたり、素晴らしい快晴でした。モンゴリアンブルーと呼ばれる蒼い空は、より一層爽やかな色を放ち、それはまるでこの展覧会開催を祝福している様でした。

この度のモンゴル英雄作家光臨芸術祭の構成は、日本画・洋画・彫刻・工芸・書道・写真・詩歌・フラワー・ジュエリー等の日本芸術のオールジャンル、総数209枚で構成されており、前日までに弊社スタッフと美術館の学芸員の手によって、鑑賞者の視点に程良く合わせて、丁寧に展示されました。

弊社スタッフが美術館開館1時間前に会場準備に向かうと、そこにはなんと、既に多くの人々が列を作って待っていました。
実はこの度のアートパネル展は開催の2週間前よりモンゴルの国営放送やラジオ、インターネットにて、「日本の選抜された芸術家による、現代芸術の展覧会が行われる」という報道が大々的にされていたのです。その報道を見たモンゴルの人々や、国際会議ASEM見学を目的とした外国人が、この度の展覧会を一目観ようと並んでいたということだったのです。

弊社スタッフたちが慌てて開場準備に向かうと、A2版特製アートパネルたちは、美術館内の多数の天窓から注ぐ眩い光に反射され、まるでご来場者を早く早くと待ち望んでいるようでした。

そして1時間後の10時、開館と同時にご来場者が館内に殺到し、展示されたアートパネルを一つ一つ丁寧に眺め、思い思いに記念撮影をする姿も見られました。

会場ではスタッフに向けてこんな声が――。

「日本の現代芸術のアートパネルが展示されると聞いておりましたが、想像していたよりも色調も質感もとても良いですね。立体芸術も奥行が感じられて素晴らしいです」と、頷くモンゴルの美術高校教師の男性。

「モンゴルはこの10年で、様々な芸術品が海外から来る様になりました。今日は楽しみに来たのですが、このような日本の芸術ジャンルの多さには本当に驚きです! 芸術といえばヨーロッパをイメージしますが、日本芸術にもっともっと目を向けて行きたいです!」と語る芸術品バイヤーの女性。

「すごい!! モンゴルでは毎日、日本の大相撲が見られるし、すごく興味のあった国で、浮世絵などは美術の本で見たけれど、日本芸術がこんなにも繊細で美しいものだと思わなかったです! 今、大学で美術を学んでいますが、是非、今度の留学先を日本にしたいと思います!」と、興奮気味に話す国立大学で美術を専攻している大学生。

大勢のご来場者が美術館内を行き交い、あちこちで感嘆の声を上げる中、閉館の午後6:00を迎え、初日が終わりました。

6月22日、最終日の表彰式セレモニー当日――。

午前9:00――。
美術館入口には連日の数を遥かに上回る人々が、私たちスタッフたちを待ち受けていました。

先頭には、「今日は楽しみにしていたのよ! 日本人のアーティストも来ると聞いてね! 夏休みだし、2時間前から待っていたの!」とはしゃぐ女子生徒たち。

「つい最近、モンゴル国際大学に行ってきたのよ。そこで日本芸術の素晴らしさに感動してね、テレビで今回の展覧会を知って早起きして家族で来ました」というご家族連れ。

開館時間の午前10:00――。
そこには国境を越え、様々な国籍の人々、なんと400名以上が一斉にご来場されました。そこには喜びや驚き、多様な言語が飛び交い、感動の声で会場は地鳴りのような震えさえ感じる、盛大な歓声が沸き起こりました。

それからの数時間は、前日までにお越しになられた方や、初めてお越しになられた方まで、たくさんの人で続々と会場が埋まって行き、国営テレビの取材班や、新聞社、インターネットのニュース会社が取材に訪れ、209点の日本芸術作品を次々とカメラに収めて行く姿も見られました。

弊社代表
志知正通

瞬く間に時間が流れ、この度の展覧会のメインでもあるセレモニーと表彰式開始の午後1:00――。
「ただ今よりモンゴル英雄作家光臨芸術祭のセレモニーを行います」という言葉が会場に響くと、今までの歓声がピタッと止み、報道陣のカメラが一斉に舞台に向けられ、静寂が心地よい緊張感として会場に流れ、弊社代表・志知正通が一礼し、セレモニー始まりの挨拶としてマイクに向かいました。

「いつも申し上げていることではございますが、このように多数のご来場者様がお越し下さり、日本の芸術を世界の方々に見ていただける機会が持てるのは、日本のアーティストの先生方のおかげです。また、この度お力添えをいただけた、モンゴル国立美術館のスタッフの皆様、モンゴル国際大学の先生方、駐日本モンゴル大使館の皆様、その他多くの関係者の皆様、最後に今回はお身体のこともあってお越しになれなかった長谷川栄先生に深く感謝申し上げます。そしてこれからもモンゴルと日本の友好の為に、微力ながら尽くして参りたいと思います」

ツェレンダシ・ツォルモン国防大臣

通訳を通じ、会場にその言葉が響き渡ると、どこからともなく展覧会開催を祝う拍手が沸き起こりました。

次に、4年に1度の選挙を控え多忙を極める中、日本とモンゴルの友好の為である本展覧会開催のお祝いに、なんとサプライズでお越しになられた、ツェレンダシ・ツォルモン国防大臣が祝辞を述べられました。

「まず始めに、この度は展覧会の開催を心よりお祝い申し上げます。次に、お越しになられたアーティストの皆様、残念ながらお越しになれなかった日本にいらっしゃるアーティストの皆様、この様な大変貴重な国際芸術交流の場に、日本芸術という素晴らしい花を添えていただけたことを、モンゴル国を代表して深く感謝申し上げます。この機に日本とモンゴルがより一層友好を深め、発展していくことをお祈り申し上げます」

モンゴル国際大学学長
クオン・オ・ムーン先生

会場を埋め尽くしたご来場者も、この突然の大臣のご来場とお言葉に驚きながらも、一国の大臣としての威風堂々たる毅然としたお姿と祝辞に、大きな拍手と「日本の皆さんありがとう!」という歓声が会場内に響きました。

さらには、モンゴル国際大学学長クオン・オ・ムーン先生、モンゴル国立美術館館長ナムスライジャブ・バトバートル氏が祝辞を述べられ、会場には国境を越えた友好の暖かいムードが昼下がりの日差しとともに美術館内を包みこみました。

モンゴル国立美術館館長
ナムスライジャブ・バトバートル氏

「続きまして表彰式を行います!」

会場には祝福のムードが漂う中、表彰に合わせた優雅な音楽が流れ、ひとりひとりの名前が読み上げられ、ツェレンダシ・ツォルモン国防大臣より手渡しにて表彰状を賜りました。

会場内の熱気、ご来場者の歓声と拍手の音は最高潮となり、その熱気は冷めることなく、閉会の挨拶が告げられました。

セレモニー終了後、日本から来たアーティストに是非聞いていただきたいと、民族衣装をまとった音楽隊が颯爽と登場し、お祝いに駆けつけました。会場中央の舞台に構えると、モンゴルの伝統楽器ヤトガ(モンゴル琴)を見事に演奏し、会場にお越しになられたアーティストと、訪れたご来場者を見事な演奏で魅了しました。

そしてその後も、家族連れや学生、老夫婦と展覧会終了まで客足は途絶えることなく展覧会終了の午後6:00を迎え、多くのご来場者と美術館の学芸員の方々に惜しまれながら『モンゴル英雄作家光臨芸術祭』は幕を閉じました――。

美術館閉館後、モンゴルにお越しになられたアーティストの先生方と弊社スタッフは、和の宝珠美術館へ赴き、今回製作されたアートパネルと同じデザインを施したアートポスターを、同美術館を管理していただいている、モンゴル国際大学学長のクオン・オ・ムーン先生に直接お手渡し致しました。

「このポスターを和の宝珠美術館に残すことにより、歴史に残る今回の展覧会はいつまでも色褪せることなく、モンゴルの方々、ひいては世界の方々に日本芸術の素晴らしさを残していくことになります。ありがとうございました」とお言葉をご頂戴致しました。

熊本地震に対して、応援メッセージを寄せて下さったモンゴルの方々

閉幕から1時間後――。
テレビにはいつもの時間に流れる国営放送のニュースが始まり、大盛況に終わった展覧会の様子が大きく報道されました。内容は『日本とモンゴルの新たな友好が日本芸術によって始まる』という歓迎を伝える報道でした。

さらに最大手の新聞社から発刊された、翌日の新聞の一面には展覧会の記事が堂々と掲載され、日本の4倍もの面積を誇るモンゴル全土へと伝わっていきました。

『モンゴル英雄作家光臨芸術祭』――それは、国際会議ASEMが開催される記念すべき2016年に、目覚しい発展を突き進むモンゴルに、さらに追い風として日本から送られた至極の贈り物になったと言えるでしょう――。

文/田村 芳明
撮影/遠山 高広