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東京国際フォーラム外観

「まるで宝箱を開けた時みたいに胸がドキドキしますね」――と云って、会場を見渡す美術研究家のモドーニ・ルヴィ先生。その双の瞳には、幻想的な空間が映っていました。

入口の正面には、特設展示台があり、そこに整然と並べられたワインボトル。ハの字型に設置された四列のネットスクリーンには、額装アートラベルが飾られています。その数は、200点。洋画、日本画、書道、工芸、詩歌、写真、フラワー、ジュエリー、人形などのあらゆるジャンルの作品たち。目を凝らすと、そこには、美しい世界が存在していて、耳を澄ませば、まるで命の鼓動さえ聞こえてくるかのよう。さらに照明を浴びた赤ワイン《マニエッセ》が俄かに微笑んで見えたのは、きっと、アートラベルを通じて、芸術家の皆様を祝福していたからなのでしょう。

2015年11月15日――午後5時のオープンと同時に東京国際フォーラムD5会場は、大勢のご来場者の方々でいっぱいになりました。受付のあるスペースには、クロークや休憩するための椅子があり、テーブルには、試飲用のワインとイタリア産のグリッシーニやチーズなどが用意されています。

「こちらがワインアートラベルの展示会場です」

弊社スタッフが誘導し、芳名帳に記帳を終えた方々がワインの蔵元であるチェリネーゼ社のパンフレットを手にして、どんどんと展示会場へと入ってゆきます。

すると、次の瞬間――。

「うわぁ~すごい!」

と、皆一様に感嘆の声を上げて、自然と笑顔になっていました。

「今まで、色々な展覧会を観てきたけれど、こんな素敵な展示会は、初めてだわ!」と、額装アートラベルを見つめながら、メガネに指をあてる御婦人。その隣では、「それにしても素晴らしい作品ばかりですな」と云って、御主人様がカメラのシャッターを押していました。

「僕たちは、東京国際フォーラムのホームページを見てきました。実は先月、入籍したばかりでして……。ワイン好きな妻と、ここへ来るのを待ち焦がれていたんです。なんといっても、ワインラベル展というのは、日本だけでなく、世界でもなかなか見る機会がありませんから、一生の思い出です」と手をつなぐ女性に目配せをする青年。指には、真新しい指輪が輝いています。

「さあ、あなた。ゆっくりと鑑賞させていただきましょう」とスタッフに一礼し、ワインボトルが飾られた展示台へと二人は、向かってゆきました。

その後ろ姿を目にし、微笑む弊社代表の志知正通。それに続いて、アートラベルを一点、一点、審査する美術研究家のモドーニ・ルヴィ先生も、そっと笑顔で二人を見守っていました。

午後7時になり、展覧会の初日は、無事に終了――なんと、この日のご来場者数は、2時間で207名でした。

そして、展覧会2日目となる11月16日。
オープン前からすでに長蛇の列ができていました。午前10時30分になり、受付を済ませた方々が昨日と同じように弊社のスタッフの誘導によって、展覧会場へと入ってゆきます。

「ようこそ、ご来場いただきありがとうございます」

弊社のスタッフがご来場者の方々に一礼し、プロのカメラマンによる記念写真の撮影が行われ、会場のあちらこちらでフラッシュが瞬いています。

やがて、午前11時になり、展覧会場の中央に設けられたステージの上で、弊社代表の志知正通が挨拶をしました。オープニングセレモニーの始まりです。

「本日は、ご多忙の折、『チェリネーゼ社イタリアワイン三千年アートラベル展』にご参加いただき、誠にありがとうございます。実は先日、本展覧会の実行委員長である美術評論家の長谷川栄先生の奥様からお電話をいただきまして……。長谷川栄先生がお怪我をされて、ご入院されていらっしゃるとのことでした。長谷川栄先生とは、本展覧会の打ち合わせを何度もさせていただき、開催の日が待ち遠しいと仰っていただけにとても残念に思っております。ただ、長谷川栄先生からも皆様にくれぐれもよろしくお伝え下さいとのご伝言を承っております。どうか、皆様のお時間の許す限り、ごゆっくりとお楽しみ下さい」

会場から拍手が沸き、深くお辞儀をする弊社代表の志知正通の脳裏には、アートラベルの資料を手に満面の笑みを浮かべる美術評論家の長谷川栄先生の顔が浮かんでいました。

弊社代表
志知正通

その後、美術研究家のモドーニ・ルヴィ先生が本展覧会を主催するワインの蔵元・チェリネーゼ社の想いや赤ワイン《マニエッセ》について、お話をされ、最後は心理カウンセラーの清田予紀先生へと続いてゆきます。

「この度は、イタリアワイン三千年アートラベル展ということで、イタリアの心理学者であり画家でもあるガエタノ・カニッツァについて、お話したいと思います。それでは、皆様。受付で、お渡しいたしましたカニッツァの三角形の図をご覧下さい。カニッツァは、錯視現象の研究者としても知られていまして、この図(※クリックして図を開きます)をご覧になっていただくと、お分かりのように白い三角の部分が浮いて見えますよね。しかし……」
一呼吸置いた心理カウンセラーの清田予紀先生の言葉に固唾を呑むご来場者の方々。
「ロボットには、われわれ人間のように三角形は見えないのです!」
心理カウンセラーの清田予紀先生の言葉に会場内から一斉に「どうして?」と云う声が上がりました。

心理カウンセラー
清田予紀先生

「この現象こそがカニッツァの三角形であり、人間の脳が錯覚を起こし、本来、描かれていない筈の三角形を想像し、実際にそこに描かれているように感じるんですね。それに対して、ロボットは、人間と異なり、想像力がありませんから、三角形を認識しません。ゆえにアーティストの皆様は、素晴らしい想像力をお持ちでしょうから、これからもその力を活かして、素敵な芸術作品を制作していただきたいと思います」

深く一礼する心理カウンセラーの清田予紀先生に盛大な拍手が送られ、美術研究家のモドーニ・ルヴィ先生がゆっくりとステージの中央にやってきました。その手には、赤ワイン《マニエッセ》が注がれたグラスを手にしています。

美術研究家
モドーニ・ルヴィ先生

「基本的に東京国際フォーラムD5会場は、飲食禁止なのですが、今日は特別に許可をいただきました。アーティストの皆様にとって、今日と云う日が最高のひとときとなりますように――乾杯!」

美術研究家のモドーニ・ルヴィ先生の声とともに会場内を包む「乾杯!」の声。それは、夢のようなひとときの始まりを告げる声――。
アートラベルを手に持って記念撮影する男性。額装アートラベルの前で、作品についてのお話をされるアーティストの先生。ワインの香が広がる休憩スペースで談笑される人々。

展覧会場、休憩スペースともに溢れるたくさんの笑顔――その光景を双の瞳に映し、美術研究家のモドーニ・ルヴィ先生は安堵の笑みを浮かべて云いました。

「これこそ、私が最初に感じた夢いっぱいの宝箱だ」と。

やがて、午後5時となり、展覧会場の一角の大きなガラスの向こうには、すっかりと夜気に包まれた東京の街が広がっています。
「お疲れ様。では、昨日、今日と展覧会場で目にしたことをアーティストの先生方にキチンとお伝えするように!」

受付に置かれた2日間で738名の名前が書き込まれた芳名帳を手にした弊社代表の志知正通を囲み、弊社スタッフは元気よく「はい」と答え、心に誓いました。誰もいなくなった展覧会場で、煌々と輝く赤ワイン《マニエッセ》――それは、いつまでもルビーのように輝いていました。

文/V.ゆねりあ
撮影/遠山 高広