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かつて、世界一のワイン街として栄えたフランス・パリのベルシー地区――そこには今でも、当時の面影を残したままの風景が広がっていました。 

――石畳に敷かれたワイン倉庫時代を物語る運搬用レール。 

梁や石、屋根を保存しつつ改装されたワイン倉庫は現在、ショッピングモールへと姿を変え、晴れた日にはレストランやワインバーのテラスから食事を楽しむ人々の歓喜の声が聞こえてくるそうです。 

また付近には、パレ・オムニスポールと呼ばれる大規模なコンサートや競技場にもなる施設や大蔵省などの近代的な建造物もあり、パリでも注目のスポットとして知られています。

と、そんな華やかな街の一角に一つの壮麗な扉がありました――ベルシー美術館へと続く入り口です。

 

フランスの政府から歴史的建造物指定を受けたベルシー美術館は"現存の姿を保つこと"を目的として、特別な日にしか開館が許されず、地元・パリの方々からも格式の高い美術館とも云われているほど。

そして、扉が開いた2008年9月21日のヨーロッパ文化遺産の日――日仏友好150周年を祝した『仏日トリコロールコレクション祭』のポスターがプラタナスとマロニエに包まれた館内のあらゆる場所に飾られていました。 

敷地内には、大きな古時計があり、朝陽に染められた木々から零れる光が黄金色にみえ、壁を伝うアジア系の紫陽花が秋晴れの空を眺めるようにして、可憐な花を咲かせていました。

 館内は、まるで夜空に宝石箱を散りばめたかのようにペカペカと照明が灯り、中へと歩みを進める度に双の目にトパーズやサファイア、アメジストのようなきらめきと回転木馬が映り、耳には自然とピアノの音色が聴こえてくるのでした。

 

午前11時。

トリコロールコレクション祭実行委員長・長谷川栄先生によるご指導の下、フランスで最も美徳とされるフリースタイルでの『仏日トリコロールコレクション祭』が屋外の広場で始まりました。 

赤いテーブルクロスの上に陳列されたワインボトルたち。 

絵画・書道・工芸・陶芸・詩歌・写真・フラワーデザインなどの作品が並び、ご来場者の方々は、ローマ字で記された名前を確認すると「やはり、選び抜かれた真のアーティストですね」と深く頷かれていました。

「古よりフランスでは、芸術家への憧れや尊敬の念を抱く人々が多く、現在でもその地位は不動のモノと云われており、特に世界的にも名高い“ボルドーワインのラベルになる”ということは、一流アーティストの証でもあるのです」とは、実行委員長・長谷川栄先生のお言葉。

やがて、次々と作家の先生方のワインがグラスへと注がれ、会場内もアートラベルを鑑賞する人々で大賑わ いです。当日のご来場者数は、なんと延べ6000人。 

実は、『仏日トリコロールコレクション祭』が行われる数ヶ月前から、フランス側の実行委員であるベル シー美術館の館長・ジャンポール・ファヴァン先生がフランス国内で大々的にPR活動をして下さっていたのです。

 

――「ボルドーワインのラベルに起用されるような立派な芸術家になりたい」

ワイングラスを片手に夢を語った若きフランスの芸術家の方。

その隣で「日本の芸術作品と記念に……」と家族で写真撮影をされた方々。 

幼き子どもたちが侍のコスチュームに扮したスタッフの裾をつかんで「ラベルに起用された先生は、来てないの?」と尋ねては、何度も会場内を見つめる健気な姿がありました。 

すべては、フランス国家を彷彿とさせる銘柄“トリコロールコレクション”のアートラベルに起用された芸術家の先生方への憧れであり、親しみを込めてのメッセージなのです。

 

それから時は流れ、いよいよ会場内は、歓喜の声に満ち、フランスの音楽家によるギターと牧歌的な歌が流 れる中、実行委員長の長谷川栄先生と小社代表・志知正通の手からジャンポール・ファヴァン先生へとファイリングしたアートラベルが手渡されました。その作 品総数は、285点。

――と、その瞬間にパチパチパチ……と、溢れんばかりの拍手が送られ、音楽に合わせて陽気に踊る人々が遙か天空を見上げ、そっと囁き合いました。

「日本の芸術家の先生方。感動を本当にありがとうございました。またいつの日か、芸術によるフランスと日本の文化交流ができることを願って……」と。

 

パリの中で最古の人類の痕跡が見つかった場所の一つであるベルシー地区に舞うプラタナスの葉は、まるで手を振るようにして深まる秋の風に身を委ねてゆくのでした。

文/V.ゆねりあ

撮影/遠山高広